PMS(月経前症候群)で処方される漢方とは?
PMS(月経前症候群)は生理前に身体面、精神面に起こる様々な体調不良のことです。
こちらでは漢方薬を使った治療方法いついてご紹介します。
漢方の考え方
漢方医学ではその人の体質と『気(き)・血(けつ)・水(すい)』という人の体を構成する3つの要素のどこに問題点があるかを診断します。
気(き)とは?
⇒気は体内の生命エネルギーの事で、やる気、元気、ノリ気などの気力のことです。
気が不足している状態を気虚(ききょ)といい
また気の流れが滞っている状態を気滞(きたい)と呼びます。
気虚(ききょ)はなんとなく元気がでない、やる気が起きないなどの症状がでます。
気滞(きたい)はイライラや不安感、うつなどの精神的な症状が現れます。
血(けつ)とは?
⇒血は体内を巡る血液そのもの、また血液によって体内に運ばれる酸素や栄養素のことです。
血が不足している状態を血虚(けっきょ)といい
また血の流れが滞っている状態をお血(おけつ)と呼びます。
血虚(けっきょ)は冷え性、不眠、立ちくらみなどの症状がでます。
お血(おけつ)はイライラ、頭痛、月経痛などの症状を発症します。
水(すい)とは?
⇒水は体内の水分で血液以外のもの全てです。
水が不足している状態を津虚(しんきょ)といい
また水の流れが滞っている状態を水毒(すいどく)と呼びます。
津虚(しんきょ)は不眠、胃や腸の不調、乾燥肌などの症状がでます。
水毒(すいどく)はむくみ、めまい、吐き気などを発症します。
PMS(月経前症候群)で処方される漢方は?
漢方は1つの薬で様々な症状に効果があるため、PMS(月経前症候群)のように症状が多岐に渡るものには非常に効果があります。
それではPMS(月経前症候群)の時にはどのような漢方薬を処方されるのでしょうか?
●加味逍遙散料(かみしょうようさん)
⇒気滞の症状(イライラ、肩こり、生理不順、更年期障害など)
●半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう)
⇒気滞の症状(不安、不眠、めまい、動悸など)
●桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
⇒お血の症状(便秘、下腹部痛、イライラなど)
●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
⇒お血の症状(生理不順、生理痛、肩こり、めまいなど)
●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
⇒水毒の症状(冷え性、生理不順、むくみ、めまいなど)
●五苓散料(ごれいさんりょう)
⇒水毒の症状(排尿障害・むくみ・頭痛など)
これらの漢方薬をその人の体質や体格などを考慮し、医師の診断の上処方されます。また症状によっては西洋薬と併用で処方されることもあります。
必ず処方通りに服用し早期改善を目指しましょう!!