PMS(月経前症候群)に処方される抗うつ剤と漢方の比較
PMS(月経前症候群)の精神的症状が強い場合や、PMDD(月経前不快気分障害)と診断された場合に
抗うつ剤や精神安定剤を処方されることがあります。
日本では精神科や心療内科はまだまだ馴染みがなく、内科や外科に比べなんとなく行きづらいですよね。
今回は精神科や心療内科で処方される抗うつ剤と漢方薬を比較します。
PMS(月経前症候群)の精神的症状は?
PMS(月経前症候群)精神的症状には次のようなものがあります。
・イライラ
・憂鬱
・無気力
・すぐに怒る
・情緒不安定
・感情のコントロールができない
・すぐに泣く
・不安感
・集中力の低下
・落ち込み
このような症状が強くでて日常生活に支障をきたすようであれば
PMDD(月経前不快気分障害)といえます。
PMS(月経前症候群)で処方される抗うつ剤って?
PMS(月経前症候群)の原因の一つに脳内の幸せ伝達物質であるセロトニンの分泌不足があります。
排卵後に女性ホルモンであるエストロゲンの減少によりセロトニンの分泌量も減少してしまい、情緒不安定や不安感、イライラ、集中力の低下などの精神症状を発症します。
このようなセロトニン不足からくるうつ症状にはSSRIというセロトニンを増やす作用のある抗うつ剤が使用されます。
PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)に処方される抗うつ剤(SSRI)には次のようなものがあります。
名称 | 特徴 | 副作用 |
レクサプロ | 安全性が高く、比較的即効性もある。 | 副作用は少ないが吐き気、下痢、不眠、性機能障害が起こることがある。 |
ジェイゾロフト | 効果は穏やかで安全性が高い。 |
副作用は少ないが下痢や軟便になることがある。 |
パキシル | 効果が強いが副作用も多め。 | 効果が高い分、副作用も起こりやすく吐き気、めまい、眠気、不眠、性機能障害、体重増加などのを起こすことがある。 |
デプロメール | 世界で初めてのSSRI薬。効果はそれほど高くないが副作用は比較的多い。 | 副作用は少ないが吐き気、眠気、口渇、便秘、倦怠感、めまいなどが起こることがある。 |
PMS(月経前症候群)に処方される抗うつ剤と漢方の比較
効果
抗うつ剤・・・精神的症状やPMDD(月経前不快気分障害)に対しては効果が高いく、即効性も高い。
漢方薬・・・精神的症状や身体的な症状にも効果があるが、効果を感じられるまでに数か月は服用する必要がある。
費用
抗うつ剤・・・500円~4000円(30日分)+診察代 ※保険適用3割負担の場合 ※お薬の数や種類により変動する
漢方薬・・・1000円~3000円(30日分)+診察代 ※保険適用3割負担の場合 ※お薬の数や種類により変動する
PMS(月経前症候群)は基本的に健康保険が適用されます。
抗うつ剤はジェネリック薬品が販売されているものはお薬代を抑えることができます。漢方薬は病院で処方されるものに関しては健康保険が適用されますが、漢方薬局では保険適用外となりますので高額になります。
副作用
抗うつ剤・・・抗うつ剤は薬の種類にもよりますが副作用は出やすいです。その症状は吐き気、めまい、眠気、不眠、性機能障害、体重増加、下痢、便秘など様々ですが、
その人の健康状態や薬の量、年齢、性別、体質によって副作用の発症の仕方には個人差があります。またまれに重篤な不整脈などの副作用を起こす可能性もありますので定期的に診察を受けましょう。
漢方薬・・・抗うつ剤に比べると非常に副作用は少ないです。
しかしまれに吐き気、腹痛、じんましん、むくみなどを発症することがありますので注意が必要です。また間質性肺炎や偽アルドステロン症などの重篤な副作用が報告された漢方薬もあります。漢方薬も薬なので副作用ゼロではありません。
いかがでしょうか?
抗うつ剤も漢方薬もお薬ですので必ず医師の診断のもと服用し用法用量は必ず守りましょう。
ご自身に合った治療法を見つけPMS(月経前症候群)を改善しましょう