PMS(月経前症候群)で処方されるピルと漢方の比較
PMS(月経前症候群)の治療に一番使われているお薬に低用量ピルがあります。
ピルはもともとは避妊のためのお薬でしたが、最近では婦人病の治療薬として
使われることが非常に多いです。
今回はこの低用量ピルと漢方薬を比較してみます。
PMS(月経前症候群)の治療に使われる低用量ピルとは?
ピルを服用することにより、女性ホルモンをピルから取り入れると、
脳内で排卵を促すホルモンが分泌が抑制され卵巣を刺激しなくなり排卵を一時的に止めます。
そのためホルモンバランスが安定しPMS(月経前症候群)が改善されます。
ピルには高用量・中用量・低用量・超低用量とホルモンの含有量により分かれていますがPMS(月経前症候群)の治療には低用量もしくは超低用量ピルが使われることが多いです。
またピルには1シートに21錠入りのものと28錠入りのものがあります。
21錠入りのものは21日間飲み終えると7日間はお休みします。
28錠入りのものは21錠はホルモンが入っていますが、残りの7錠は偽薬です。
どちらも21日目を飲み終えてから2~3日後に生理が起こります。
飲み忘れが心配な方は28錠入りのものを選ぶといいでしょう。
ピルはPMS(月経前症候群)の様々な症状(イライラ、頭痛、めまい、むくみ、不眠、眠気)などに非常に効果が高いのですが、精神的症状(イライラ、憂鬱、情緒不安定)を強く発症している場合やPMDD(月経前不快気分障害)の場合は効果が出づらく精神安定剤や抗うつ剤を精神科や心療内科での処方を勧められることがあります。
PMS(月経前症候群)を改善する漢方とは?
漢方は1種類の薬で様々な症状に効果があります。
PMS(月経前症候群)は200種類以上もの症状があると言われているため、このような様々な症状を改善するには漢方治療は向いていると言えます。
そして漢方薬はその人の体質や症状をしっかりと見極め処方することにより改善するので人により合う薬と合わない薬があります。
日本には漢方治療の専門家が少ないこともありこの見極めをしっかりとしてくれる医師を探すことも重要となってきます。
漢方薬は体質を改善しながら辛い症状を治していくので、自分の体質にぴったりと合ったものを処方されれば非常に効果が高い治療方法です。
漢方薬は生薬の組み合わせで構成されているので非常に多くの種類がありますが
特にPMS(月経前症候群)の時にもよく処方される婦人科三大漢方というものがあります。
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
ホルモンバランスを整えます。
(イライラ、不安感、憂鬱、不眠など)
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血行促進する効果があります。
(冷え性、むくみ、月経痛、めまい、動悸、貧血など)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血液の循環をよくします。
(頭痛、生理痛、肩こり、めまいなど)
低用量ピルと漢方薬の比較
効果
低用量ピル・・・低用量ピルは排卵を止めることによりホルモンバランスを強制的に整えるので比較的早く効果を感じることが可能です。
しかし精神的症状が強い場合やPMDD(月経前不快気分障害)の場合には効果があまり出ないことがあります。
漢方薬・・・PMS(月経前症候群)に処方される漢方薬はほとんど即効性がないので効果を感じられるまでに数か月服用しなければなりません。
また自分の体質に合わない漢方薬だと効果はでません。その辺の見極めが重要です。
副作用
低用量ピル・・・まれに血栓が起こることも。
そのほかの副作用としては吐き気、頭痛、だるさ、乳房の張りをなどがありますが、ホルモンバランスの安定とともに治まることがほとんどです。
漢方薬・・・西洋薬に比べ副作用は少ないが、まれに間質性肺炎や偽アルドステロン症などの重篤な副作用が発生することも。
その他吐き気、腹痛、じんましん、むくみなどの副作用が起こることもあります。
やっぱりピルも漢方薬もお薬なので副作用の心配はつきまといます。
価格
低用量ピル・・・1か月2000円~3000円(実費)+診察代(保険適用)
ピルのお薬代は健康保険の適用外となります。診察に関しては健康保険が適用されます。
漢方薬・・・1か月1000円~3000円(保険適用)+診察代(保険適用)
漢方薬は病院で処方される場合はお薬代、診察代とも健康保険適用となります。
しかし漢方専門の薬局などで処方してもらう場合には保険適用外で全額実費となりますのでかなり高額となります。
保険適用されるのであれば費用面では若干漢方薬の方が安いですね。
いかがでしょうか?
ピルと漢方薬を比較しました。
人によってピルは効果なかったけど、漢方を飲んで楽になったとかその逆の方もいらっしゃいます。
一番ご自身に合った方法を見つけPMS(月経前症候群)を撃退しましょう♪